北口本宮冨士浅間神社
浅間(せんげん)と名の付く神社がいくつもあることを知ったのは、先月末、「さあ、明日が富士山への出発だ」という夜だった。
元来私はどこへ行くにも下調べをしない。
行き当たりばったりでこれまでも旅を続けてきたものだから、それが海外ではなく国内でも、一人ではなく母を連れていても変わらない。
ただ今回は、富士山がご神体であり、御祭神がコノハナサクヤヒメ命である浅間神社をお参りしようと何故か心に強く思った。
当初、静岡県富士宮市にある富士山本宮浅間大社参拝を決めていた。
本宮とあるのだから容易に気付いても良さそうだが、全国に浅間神社は1300もあるようだ。
それらは主に関東甲信、東海地方に祀られており、四国に住む私にとって聞きなれていなかっだけだ。
しかし、行く直前に行先が変わるのも私のクセ。
偶然、富士山の北口にあたる山梨県富士吉田市にも1900年の歴史をもつ神社があることを目にする。
参道には古木が繁り、高さ18mの日本最大木造鳥居が聳えるという。
人の多い場所を好まない私は、そのひっそりとした独特な雰囲気に気持ちが固まった。
実際に訪れてみると、空気が冷たく澄んだ深い木々の向こうに、厳かで霊験あらたかな古社が控えていた。
ここも世界文化遺産「富士山」構成資産として登録されている。
そして、富士吉田口登山道の起点でもある。
北口本宮冨士浅間神社
ー御祭神ー
木花開耶姫命(コノハナサクヤヒメノミコト)
天孫彦火瓊々杵尊尊(テンソンヒコホノニニギノミコト・木花開耶姫の夫)
大山祇神(オオヤマヅミノカミ・木花開耶姫の父)
ー由緒ー
人皇12代景行天皇40年(110年)日本武尊(ヤマトタケルノミコト)御東征の砌、箱根足柄より甲斐國酒折宮に向かう途次、当地御通過、大塚丘にお立ちになられ、親しく富士山の神霊を御遥拝され、大鳥居を建てしめ、「富士の神山は北方より登拝せよと」勅され、祠を建てて祀ったのが始まりとされている。