旅を熟成中。(1)

再就職してから10日余り。そして、4月14日に欧州より帰国して早5ヶ月が経過した。何を今さらと言われそうだが、自分の為に欧州6ヶ国周遊の旅を一応の形にまとめておこうと思う。というか、実はまだブログに纏められるほど旅は完結していない。旅先からリアルタイムでその時々を綴ってきた。じゃあ後の残りは時間を掛けて熟成させ、じっくりじっくり味わっていこう。なので、ここにまとめた後も旅行記を更新し続けるだろう。旅行記...

恋しいバルト海。

ちょうど2ヶ月前、私はヘルシンキに居た。凍ったバルト海を、ただ凍っているだけの海を1時間あまり眺めていた。冷たい霧雨が港に佇む私を濡らす。 気温は2℃、寒いというより心地良かった。只今の時刻、午前2時。あれから たった60日そこらで、今の私は熱帯夜にいる。まだ6月半ばだというのに、扇風機ではもう我慢できなくなり、とうとうエアコンを入れてしまった。だが、すっかり覚めてしまった目はそう簡単には閉じてくれない。...

どれだけ いいもの見たら 気がすむの!

本に囲まれることが昔から好きだった。あ、だからといって、本を読む子だったわけではない。人生の半分を終えた今でさえ、真剣に読破した本はたぶん100冊にも満たないだろう。自分で思うに、私はあらゆる分野の、自分の小さな脳みそでは永遠に得られない無限の知識が高く高く積み上げられた空間の、その隙間を縫うように泳ぐ感覚が好きなのだ。もちろん、空想の世界である。そこでは、私はシェイクスピアにだってなれるし、エジソ...

南か西か。

旅に出る半月ほど前だった。そろそろアウシュビッツ博物館を訪れる日にちくらいは決めておかねば、中谷さんにガイドを頼めない。私は机に向かい、カレンダーをめくった。ヘルシンキ経由でワルシャワin、チューリッヒout。決めていたのは、直感で選んだ2つの都市とアウシュビッツ、それだけだった。基本、欧州は鉄道で巡りたい。ワルシャワからまっすぐ南へ下れば、アウシュビッツの最寄りとなるクラクフの町だ。だが、うーん、いき...

ハプスブルク案内。

そして、4つ目のバス停が「ハプスブルク」だった。少し走るとブルッグの街中を抜け、ちょっとした森の中に入って行く。窓に額を押しつけ、ワクワクする心を抑える。乗車時間は僅か7分。森が開けると見えて来る古城に、どこまでもつづく緑の風景。緩い坂道を上る途中にバス停はあった。お城はすでに見えているし、ところどころに立つ案内板に道を迷うことはない。素直に上って行くと、あのハプスブルクがここからなのか!とちょっと...