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旅先の大切な思い出を綴っています  since Sep. 1, 2007
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空にしられぬ雪ぞふりける

あけましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。


昨日は愛媛県今治市の大山祇神社に参詣しました。

大山祇神社

大山祇神社2

こちらは芸予諸島の大三島にあり、しまなみ海道を渡ります。
しまなみの風光明媚な景色もさることながらこの神社の厳かな雰囲気が大好きで、少し遠出ではあるものの、時々お詣りさせていただいております。

大山祇神社・御神木(樹齢2600年大楠)

樹齢2600年の御神木を前にすると、それだけで神代時代からのパワーを戴けるようで、気持ちも一段と引き締まります。

おみくじは大吉。
母が凶を引いたので、二人合わせて末吉くらいでしょうか。笑
良すぎるのも気が緩みがちになりますので、それくらいの方がよしとしておきましょう。

おみくじに書かれた御歌は、

桜ちるこの下風はさむからで空にしられぬ雪ぞふりける (紀貫之)

桜の花びらを雪に例えた美しい歌です。
空にしられぬとは、つつましさを感じられる素敵な表現だなと、貫之の豊かさを感じずにはおられません。
今年、私もこのような感性を磨けたらと思いました。


そして本日、七草粥を戴く日。

七草がゆ(朝比奈)

新しい一年が皆様にとっても無病息災でありますように。




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大洲の臥龍山荘。

この頃、よく愛媛へと足を延ばす。

波長が合うのだろうか。

今手に取ってる本までも、松山が舞台の「坊っちゃん」である。
それは、二宮くん主演の新春ドラマが思いの外面白くて、それに感化されたわけだけれど、
しかし、まぁ夏目漱石という人物は松山と松山の人々のことをああも貶して書けたものだ。(笑)

しかも松山は、それを逆手にとって町の個性にしちゃうあたり、やはり私は愛媛が好きだ。


年が明けて10日あまり、すでに二度も訪ねている。

来年にも道後温泉本館の耐震改修工事が始まるらしく、「坊っちゃん」ゆかりの温泉はそれまでに改めて足を運ぶことにして、

二日には大洲の臥龍山荘へ、昨日はしまなみ海道を渡って大三島の大山祇神社へ参拝に出掛けた。


その臥龍山荘とは、なんてことない町を流れる肱川の畔に建つ明治時代の山荘なのだが、
こんな田舎町の山荘がどうしてミシュランに選ばれているのか不思議だった。


2016-01-02 04.臥龍山荘


また、行く人行く人揃って「いい処だ」と言うものだから、ずっと気になっていたのだ。

だが、訪れてみて納得。

2016-01-02 02.臥龍山荘

足元に置かれた花弁の愛らしさに心を掴まれ門をくぐり、母屋の欄間の細かすぎる透かし彫りに息を呑む。
苔むした表情もまたいい。

各所に施された粋な計らいに何度も何度も驚かされた。

その憎いほど行き届いた心配りに、大洲の懐の深さを見たようだった。

そして、これが例えば京都の鴨川沿いにあったんじゃあ、大してつまらなかっただろう。


ここは道後の湯に負けていない思う。

ここで日がな一日、ぼんやりと肱川を眺めるも良し、愛媛ゆかりの小説を読むも良し。

松山やこの辺りは俳句や和歌が自ずと生まれる土壌もある。
その落ち着いた趣きは、新春を迎えるのにふさわしい場所だった。


坊っちゃんも連れて来てあげたかったな。
曲がったことが嫌いで喧嘩っ早い江戸っ子気質の坊っちゃんが、風流を愛でたかどうかは別にして。



               2016-01-02 06.臥龍山荘




内子を旅する。

子供の頃は同じ四国内と言っても遠い遠いところだと思っていた愛媛県の南予地方も、道が良くなった今では気軽に日帰りできるようになった。

最も南西部にある宇和島市へは3時間半、芝居小屋の内子座で有名な内子町へは高速に乗れば私の町から2時間で行ける。
それでもどこか縁遠くて、南楽園へ花菖蒲を見に行くほかは松山より向こうへ足を延ばすことはなかった。


ところが数ヶ月前、
「この前ね、テレビで内子の木蝋資料館上芳我邸(かみはがてい)が映ってて、なんかすごくいいところみたいだから、一度連れてってもらいたいわ」と、以前の勤め先の元施設長から電話があった。

「か、かみは? そのかみはなんとかって何ですか?」
無知な私は、読み名もわからなければ、上芳我邸という漢字なんて想像すら出来ない。

「昔、木蝋(もくろう)で財を成した豪商の大きなお屋敷よ。」
と言われても、「はあ、木蝋ですか、、、。」といった具合だった。

それから数日後、外出先に再び電話があり、
「さっき、うちにジパング倶楽部のパンフレットが届いたんだけど、そこに今度は下芳我邸っていうのが載ってるわ。」

「はあ、しもはがていですか。」
「前に言った上芳我邸と関係があるのかしらね。」
「はあ、、、。」


こうして、内子といえば内子座しか知らなかった私が内子町へ行くはめとなった。


内子町は、明治末期から大正にかけて、木蝋や生糸の生産で栄えた町。
とりわけ国内最大規模の製蝋業者であった本芳我家と、その分家であった上芳我家、中芳我家、下芳我家らによって一大繁栄を築いてきた。

今でも保存されている昔の町並みには立派な蔵構えがずらりと並ぶ。

そして、その有志らの出資によって地元の人々の娯楽の場として建てられた芝居小屋が内子座である。


2015-11-19 1.内子座


木蝋資料館である上芳我邸も、現在お蕎麦屋さんとして賑わっている下芳我邸も町を代表する名所であるが、内子といえば内子座と頭に刷り込まれている私たちが一番最初に訪れたのは、その内子座だった。


なぜか見物客が少ないといわれる木曜日、ぽつりぽつりとお客がいるだけで、思いのほか寛げる。

芝居小屋といえばわが香川県には日本最古の金丸座があるのだが、この内子座は金丸座よりこじんまりとしているものの、その佇まいは決して負けてはいない。
むしろ、客席と舞台は近く、花道と客席の段差が小さい内子座の方が、きっと贅沢に演者と向き合えるにちがいない。

2015-11-19 2.内子座

金丸座が故中村勘三郎さんの思い入れが特別強かった芝居小屋であったならば、内子座は人間国宝である坂東玉三郎さんが贔屓にされる芝居小屋。
内子座が金丸座に引けを取らないのも納得できる。


その場所で、地元の中学生たちにアンケートをお願いされた。
「どうして内子に来られたのですか? 内子座の良さはなんですか?」

その後も何人もの中学生に同じ質問をされたから、きっと校外学習の一環なのだろう。

玉三郎さん好きの上司は毎回丁寧に答えていた。
「それに、内子はノーベル賞を受賞された大江健三郎さんの故郷でもあるので、一度来てみたかったんですよ。」


たぶん、他にほとんど客のいなかった今日のアンケートは、みんなほぼ同じ答えになるんじゃないか。
真剣に答える上司と、少し難しい話になると目が泳ぐ中学生たちを交互に見ながら、そんなことを思って一人可笑しくなっていた。


その後は定番のコースを巡った私たちであったが、そう大きくない町でも一日では回り切れない見どころがある。


2015-11-19 6.中芳我邸



次回、そう遠くない先に訪れるのを楽しみに、そのときも下芳我邸ではお蕎麦を、上芳我邸ではお抹茶と愛媛の伝統和菓子「ゆずっ子」を戴きたいと思っている。


2015-11-19 4.下芳我邸

2015-11-19 8.上芳我邸

今年も南楽園。

昨年の6月1日。
父の日でも母の日でもない、なんでもない日曜日であったが、両親を連れて愛媛県は宇和島市にある南楽園へ花菖蒲を見に行った。

片道230kmの運転も、もうその頃には苦にならないくらいドライブ好きな私だった。


すでに足腰が弱っていた父のため受付で車いすを借り、のんびり押しながら庭園を歩く。

大きく2つの池に分けられた広大な庭園には、西菖蒲園と東菖蒲園におよそ3万株、25万本の花菖蒲が植えられており、とりわけこの季節は賑やかになる。


南楽園.jpg

南楽園3.jpg


車いすを借りたものの、うっかり座布団を持ってくるのを忘れ、「尻が痛い、痛い」と父に文句を言われながらの散策であったが、柔らかく大きな花菖蒲の花弁の波は私たちをひと時楽しませてくれた。

そして、それが父との遠出の最後の想い出となった。


南楽園5.jpg


あれから一年、また花菖蒲の季節がやってきた。

「南楽園に行こうか。」
どちらからともなく声を掛けた。

一年、母も歳をとった。


南楽園10.jpg


南楽園6.jpg


南楽園7.jpg


南楽園12.jpg


来年もまた来られますように。


南楽園8.jpg



ふくよかな花弁をかすかに揺らす風が、ほのかな雨の匂いを運んでいた。




花より団子。

「先日テレビでね、松山の椿が見事に咲いているのが映ってたの。」
もう半月以上も前、元職場の上司から電話があった。

椿は松山市の花であり、町の至る所に椿や椿にちなんだものがあるんだそうだ。
椿好きの上司は、「松山市の観光課に電話したら、松山総合公園という所に椿園があって、それが4月まで見頃だと教えてくれてねー」と、声を弾ませていた。

当初、3月19日に松山行きを計画していたのだが、あいにくの雨降りで、後日に伸ばそうということになった。


松山総合公園・椿6.jpg


「31日はどうですか?」 先週上司にメールをすると、二つ返事で「OK!」とのこと。
椿もいいけど桜もそろそろかなーと、淡い期待も半分あった。


松山総合公園・椿8.jpg

松山総合公園・椿3.jpg


椿の予想を超える量と品種の数に驚きもし、期待以上にソメイヨシノが見ごろを迎えていたことにも驚いてしまった。

今朝の桜開花情報には「咲きはじめ」と記されていたのに、あっという間に満開になったようだ。


松山総合公園の桜.jpg



陽射しも一気に強くなり、椿はもちろん桜さえも季節外れみたいに暑くなった。


温泉で汗を流すのもいいかなーと、だが温泉には入らず道後温泉商店街にある団子屋へ。
このいかにも団子!という三色団子を時々無性に食べたくなる。

大きな団子は普通の坊ちゃん団子9個分だと言っていた。(笑)


坊ちゃん団子.jpg

道後温泉.jpg



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