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旅先の大切な思い出を綴っています  since Sep. 1, 2007
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明日香の地を訪ねて。

今年は桜の開花予想が立てにくく、まずは第一弾で訪ねた土佐国分寺は全くの空振りだった。
もちろん地元にも桜の名所は山ほどあるが、この時期だからこそ花見を兼ねての遠出がしたい。
高知くらいの距離ならば外れを引いても諦めはつくが、片道200km以上もの距離を走るのであればできるだけ最高の状態でと思ってしまう。
一昨年と去年に行った彦根城が大当りだっただけに余計に期待もしてしまう。

だが、桜の開花状況に天気と休み、この3つをクリアするには雨の多いこの時期特に難しい。

その中で選んだのが、4月10日(月)、奈良県は明日香村。
近くには藤原京跡もある日本の古都だ。

同じ古都なら京都でもいいのだが、「歳がいくとあの人混みはどうにもこうにも我慢ならない」と田舎者の母が言う。

もともと私も奈良好きで、大学時代は一週間ほど滞在してあちこち巡ったこともある。
当時、明日香村もレンタサイクルでユニークな巨石や古代浪漫を探してまわった。

石舞台1

その明日香村にある石舞台古墳。
築造は7世紀初めとされ、蘇我馬子の墓という説が有力だ。
城と桜、神社仏閣と桜、瀬戸の島々と桜、桜には色んな景色が似合うのだが古墳と桜という組み合わせも私には新鮮で面白かった。
その日はあいにく薄曇りであったが、なかなかの趣きだ。

石舞台古墳

石舞台17

石舞台21

近くには聖徳太子の生誕地とされる橘寺や日本最古の仏像を祀った飛鳥寺もある。
何度訪れても心癒される場所。

橘寺の桜

橘寺・二面石

飛鳥寺

飛鳥大仏

飛鳥大仏を拝んだのはこれで三度目だったのだが、初めてその美しさに見惚れてしまった。
内から滲み出る慈悲のようなものが感じられたのだ。
桜も良かったが、最も心に刻まれたのが飛鳥大仏だったような気がする。

帰りには足を延ばして斑鳩の里にも。
お目当ては法隆寺ではなく中宮寺の本尊菩薩半跏像(如意輪観世音菩薩)。

遠い遠い昔の人たちも向き合った仏様に、しばし包まれた時間だった。

石舞台16

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緑と対話する、

そんな一日になりました。

2016-05-21 14.瑠璃光院

2016-05-21 18.瑠璃光院

2016-05-21 20.瑠璃光院

2016-05-21 19.瑠璃光院

2016-05-21 23.瑠璃光院

2016-05-21 26.瑠璃光院

2016-05-21 12.瑠璃光院

2016-05-21 11.瑠璃光院

2016-05-21 08.蓮華寺

2016-05-21 09.蓮華寺

2016-05-21 10.蓮華寺


緑の上で踊る光と影の移ろいに、息を呑みました。

じーっと緑を眺めていると、心が満たされていきますね。


京都市左京区は、瑠璃光院と蓮華寺にお邪魔致しました。


城の崎にて。

私が高校1年の時であるから、もうかれこれ25年も前になるが、
ある日、先生はさらっと太宰治の志賀直哉批判の話をしてから「城の崎にて」の授業に入った。

一通り読んだ後、私を指名し感想を聞いた。
だが当時、太宰好きだった私は先ほどの先生の話ですっかり志賀直哉を受け入れられなくなっていた。

「私、この人の文章、嫌い。」

内容は全く頭に入っていなかった。
正しくは、「好かん」って答えたと思う。

「わし、いらん話をしてしもたみたいやの。」
先生はあの時、きっと苦笑いしていた。


その後、ずっと志賀直哉を敬遠していた私だったが、何年も前に尾道を訪れたことで「暗夜行路」をきっかけに彼の作品を読むようになった。

意外にも読みやすく、情景も自然と浮かんでくる。
描写がいい。


ただ、それでも「城の崎にて」はあの授業以来手に取っていない。


2015-11-25 10.城崎温泉


11月下旬にしては暖かかった昨夕の城崎は、浴衣姿でぶらりぶらり歩く観光客で賑わっていた。
いい湯だった。


封印された「城の崎にて」、もうそろそろ解ける気がする。

まるでそれは一幅の絵を見るようだった。

雨がひとしきり降った朝、紅葉を見に但馬の安国禅寺を訪れた。

年々口コミで広まったその紅葉は、多い日には狭い境内に3千人もの人が押し寄せるそうだ。
もちろん、お寺の方がうまく誘導してくれるのだが、できればゆっくり穏やかに観賞したい。


香川から兵庫県豊岡市にあるお寺までは片道およそ4時間半掛かる。

拝観時間は朝の8時から。

朝一番ならそう人も多くないだろうと、再び得意の真夜中ドライブを決行することにした。(笑)


この安国禅寺は、夢窓疎石の薦めによって足利尊氏が全国各地に国家安泰祈願のため建立した安国寺のひとつ。
歴史は古いが、七堂伽藍を有したというその境内は享保2年(1717年)に火災により焼失し、現在建物はそれより北方に移されている。

その本堂の裏庭に、樹齢100年を越えたドウダンツツジが広がっている。
それが秋になると真っ赤に燃え上がるのだ。

その僅か2週間、お寺は一般客にも開放される。



2015-11-10 03.安国禅寺



安国禅寺に着いたのが7時半。

駐車場は私が気づいた範囲で第4駐車場まであり、第3駐車場から入る細道は一般車両はご遠慮願いますとの看板が立っていた。
だが、まだ時間が早いのと、母が高齢であったため、寺門を掃除していたご住職の奥様が、お寺のすぐ前に停まらせてくれた。

「遠方から来てくださったんですね。」 

気さくに声を掛けてくださり、「まだ拝観時間ではないですが、せっかくなのでどうぞ中へお入りください」とまで言ってくださった。

恐縮しながら車を降りると、奥様は私の車のナンバーを見ながら、「私も香川の出なんですよ」と話し出した。
そこから一気に親しみが沸いたように会話も弾んだ。


2015-11-10 11.安国禅寺


私は写真を見て知っていたが、全く想像だにしていなかった母はこの瞬間、思わず「うわぁ」と声をあげた。

知っていたはずの私も息を呑んだ。


「上にあがって、もっと前の方でゆっくりご覧になってください。」

私たちは祀ってある達磨大師にお参りもせず、そのドウダンツツジから目が離せなくなった。


「昔は一本の株だった木が、子や孫でここまで増えましてね。
それにここは雪深いところでして、本来なら上へ上へ伸びる枝が雪の重みでこんな風に横へ広がったんですよ。」

「これは雪が造った芸術ですね。」

奥様はこまごま用事をされながら、そんな話を聞かせてくれた。


「それで、いつからこんなに有名になったんですか?」

その時、上述したお寺の縁起を教えてくださり、
「20年前、昔のお寺の跡地に千本ものナツツバキの群生が見つかりましてね。
たぶん、当時お庭に植わっていた木の種からなんでしょうけど、それが先に話題になったはずなのに、今ではこのドウダンツツジの方が見事だと有名になりまして。」

「春には白い可愛い花が一面に咲くんですよ。紅葉の方が見事だから、春は開放していませんけど。」 
そう言って、2枚のポストカードをお土産にくださった。


「へぇ、夜中に香川から来なさったんですか。 それは遠いところから、、」
そう言いながら、お寺のおとこしさんがお盆に急須と茶碗を乗せて現れた。

「せっかくやから、ドウダンツツジをバックにこれを真ん中に置いて写真を撮ってあげますよ。」

まさかお茶までと一瞬思った私は、「そうお気遣いなさらずに」と喉まで出かかっていた言葉を飲み込んで正解だった。(笑)



2015-11-10 09.安国禅寺



それは、まさに一幅の絵を見るようだった。





奥様から戴いたポストカードは、そうだ、ドウダンツツジが大好きな恩師へのお土産としよう。

2015-11-10 12.安国禅寺のポストカード

父思う秋桜。

先週の日曜日、またも母と愛犬2匹を連れて彦根を訪れた。

今年の4月に彦根城へ花見に行って以来、威厳ある天守閣にお濠の趣きといい、城下町の雰囲気といい、私も母も彦根をすっかり気に入ってしまったのだった。


また、彦根といえば江戸時代、城主の井伊氏は茶の湯にも長けており、なので美味しい菓舗が沢山あるのも嬉しいところ。
とりわけ私たちの好みと合ったのが老舗の「いと重」である。

その代表銘菓である「埋れ木」は高松三越にも入っているのだが、私が行くときはいつも売り切れで悔しい思いをしていた。
今回、その「いと重」での買い物も楽しみの一つにあった。


彦根城外濠に面した「たねや」に多くの人が流れる中、少し奥まったところにひっそりとその本店はある。


「埋れ木」は一番に頼んだ。
「道芝」と「あわの海」はお盆のお供えにと取り寄せし、すでに頂戴していたので別のものをと店内を見回した。

目に留まったのは美しい生菓子。

銀杏などの秋らしい造形美の生菓子の中で、秋桜のピンク色が可愛いと思った。


そして、その愛らしい秋桜を眺めていたら、父が生前よく聞かせてくれた京城(現ソウル市)の想い出が脳裏に浮かんだ。

京城生まれで、終戦間近までそこで暮らした父の子供時代、この季節は家の裏の空き地は一面秋桜で埋め尽くされていたそうだ。
その美しい情景は侘しさと相俟って、幼かった父の心の奥深くに焼きつけられたのだろう。

秋桜を見ると京城を思い出す、毎年秋になるとそう言っていた。


この和菓子を父の仏前に供えよう、そう思いついた。



「父さん、今年も秋がやって来たよ。」

お鈴を2回鳴らし、想像でしかない父の故郷を偲びつつ手を合わせた。


いと重・秋桜.jpg


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