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picchukoに老眼疑惑。

京都国立近代美術館を後にした私は京都最古の禅寺・建仁寺に赴いた。洛バス100号に乗れば、近代美術館から建仁寺の最寄りとなる清水道まで乗り換えなしで行くことができる。そのお目当ては俵屋宗達の「風神雷神図屏風」(原本は京都国立博物館へ寄託)ではなく、天井画の「双龍図」と海北友松の襖絵「雲龍図」。この寺には龍や風神雷神図以外にも、禅宗の四大思想である地水火風を表すとされる「〇△□乃庭」に禅庭の「潮音庭」など...

一人いにしえの旅。(4)

璉珹寺を出たのが16時少し前。その日午前3時起床の私は、そのまま帰路に就くつもりだった。それでも帰宅は午後8時を回るだろう。阪奈道路を目指して奈良市内を走っていると、IC手前で看板に唐招提寺と薬師寺の文字が現れた。ふとキトラ古墳で出会った女性との会話を思い出す。「今日はこの後どちらへ?私一人暮らしだから、良かったら泊まっていってもいいのよ。」「いえ、今日は日帰りの予定なんです。でも、キトラ以外の予定は全...

一人いにしえの旅。(3)

先月のこと、行きつけの珈琲屋さんで、特別企画として「仏をたずね、京都・奈良へ」と題した雑誌を目にした。ちょうど石舞台古墳で花見をした数日後のことで、帰りに拝した飛鳥大仏と中宮寺の菩薩半跏像の余韻からまだ冷めきれていない私は自然とその雑誌に手が伸びた。そこでふと目に留まったページに、白い女性の美しい阿弥陀如来像が袴を履いて立ってらした。その像は鎌倉時代作、モデルは光明皇后とある。女人の裸形という珍し...

一人いにしえの旅。(2)

「もうこの頃になると防衛やら他のことにお金が必要だったのか、古墳も小さくなっちゃったわね。」声の主はまた彼女だった。「ホント、私の町にある地方豪族の古墳の方がまだ大きいくらいです。でも、さすが高貴な方のお墓だけあって中はすごいですよね。」「この向こうに天武・持統天皇陵があって、この一帯はその血筋の者たちの古墳が集まってるのよね。」天皇に近い存在ならば、この壁画のように当時時代の最先端だったものが描...

一人いにしえの旅。(1)

ちょうど一週間前、何気なくテレビを付けるとNHKの歴史秘話ヒストリアで高松塚古墳の壁画について取り上げられていた。高松塚古墳といえば今から45年前、飛鳥美人で有名な鮮やかな色彩の壁画が見つかり、考古学史上まれにみる大発見と騒がれた史跡。それは遠い記憶の歴史教科書に数多く並ぶ写真の中でもひときわ印象に残っていた。その高松塚古墳の壁画修理作業室が公開されることを、番組最後に知らされる。これで17回目、これま...