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in 父の日記

つながり。

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11月6日の朝、美しいお花を抱えた男性がわが家の前に立っていた。

見事なカサブランカにベージュのガーベラ、薄いピンク色したカーネーション、その優しい花達の向こうにある男性の顔は隠れていた。
玄関を開けた母は、「こんなお花頼んでない!」と慌てたらしい。(笑)


「今日がちょうど一周忌だと聞きまして。」
それは、昨年父の葬儀でお世話になった町内の葬儀屋さんだった。


早いもので、父がこの世を去って一年が過ぎた。
その間も、折に触れ父を偲んでわが家を訪ねてくれる方々はいた。

以前、ブログにも書いたデイサービスの青年もその一人。
つい先日、「そろそろ一年になると思って、胸がざわざわしたんです」、とお参りにきてくれたばかりだった。


だが、葬儀屋さんが一周忌になぜ?

「昨日、お宅の院主さんとお会いしまして。」

聞けば、前日にわが家の檀那寺の院主さんが、その葬儀屋さんの会館で一年ぶりにおつとめがあったとのこと。
どこか心に残る院主さんだったので声を掛けたというのだった。

そこで次の日にわが家で一周忌の法要があることを聞き、沢山のお花を抱えてお参りに来てくれたのだった。


「ちょうど院主さんとお会いして、今日が一年のまわりめやぁ言うやないですか。
ちょっと変な言い方やけど、こんな偶然があるのかと嬉しくなってな、私も手を合わさせてもらおうと思ったんや。」


去年の葬儀の時もそうだった。
彼はまだ35歳の若さなのだが、そのくだけた言葉にも心遣いにも優しいぬくもりがある。
ミスのないマニュアルに沿った形式だけの段取りとは違う、あったかーい気持ちを故人にも遺族にも与えてくれる。

親不孝者の私が父にできた最後で最高のプレゼントが、彼との出会いだったと思っている。

正直、お葬式で感動するなんて、それこそ変な表現だが、あの時の感動は今も心に残ったままだ。


「Hさんのお葬式は、僕も印象に残ってるから。」


私が彼との出会いを父にプレゼントした気になっていたが、一年経った今もこうした人とのつながりをもらっているのは私の方だったのだ。


父も母も私も、本当に幸せ者だなと、あったかい気持ちが心の中いっぱいに満ちている。


11-06 父さん、一周忌・大野さんより


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