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in 香川県

粟島。

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瀬戸内国際芸術祭2016の春夏秋すべてが終わった。

3年に一度の大イベントは今回も大成功だったんじゃないだろうか。

私は春に沙弥島、秋に高見島と粟島を訪れた。

どれも香川県西部に位置する島。

今では世界的に有名なアートの島となった直島や豊島(てしま)、小豆島などの東部の島は世界的にも有名なアーティストを呼んでの華やかな作品群だったんじゃないかと思う。
対する西側は秋期のみ開催の島が多く、島民を中心に島の歴史や生活と密接した作品が中心だった。

もちろん、東の島もそうであったと思うのだが、香川県は日本一小さな県の割に、東讃(とうさん)・西讃(せいさん)ときっちり県民性も言葉も文化も異なっているので、表現の仕方に違いがみられるだろう。
ちなみに食べ物でいえば、うどんと骨付き鶏は西、和三盆は東である。

と話は逸れてしまったが、今回訪れた島のうち粟島は以前から行きたい思いの強い島だった。

隣町の港から船で10分、少し海岸線をドライブすればいつも目にする島なのだが、船に乗るというのが腰を重くさせていた。
瀬戸芸はそんな身近であって身近じゃない島を旅するきっかけをも作ってくれる。

そこは、日本初の国立粟島海員学校跡があり、夏は海ほたるが美しいところ。
そして、漂流郵便局が置かれている島だ。

2016-09-18漂流郵便局

漂流郵便局。

それは、届け先のない手紙を受け入れてくれる郵便局。
昔の郵便局跡を利用して、3年前の瀬戸芸のアートプロジェクトで始まったものだ。

伝えたくても伝えられない想い。
大好きな人へ、片思いの君へ、初恋の人へ、未来の花嫁さんへ、可愛がっていたペットへ、そして今はもう永遠に会えなくなったあの人へ。

そのほとんどが故人に宛てたもので、読みながら涙を流している人もちらほら見かけた。
そう、その誰かに宛てた手紙は私たちが気軽に手に取って読むことができるようになっている。

行き場のない思い、届け先のない思いを乗せた手紙を読んでいると、今、自分の周りにあるすべてのものに優しくしよう、大切にしようという気持ちがおのずから沸いてくるようだった。

それは素朴な景色のなかだから余計に心に沁みて来る。

それは島時間のなかだから余計に心に刻み込まれる。

そして漂流郵便局の局長さんの穏やかな笑顔に、センチメンタルになった心がほっとする。

2016-09-18漂流郵便局2


3年後の瀬戸芸を待たずして、また訪れたい島だった。

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