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旅先の大切な思い出を綴っています  since Sep. 1, 2007
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一人いにしえの旅。(2)

「もうこの頃になると防衛やら他のことにお金が必要だったのか、古墳も小さくなっちゃったわね。」
声の主はまた彼女だった。

「ホント、私の町にある地方豪族の古墳の方がまだ大きいくらいです。でも、さすが高貴な方のお墓だけあって中はすごいですよね。」
「この向こうに天武・持統天皇陵があって、この一帯はその血筋の者たちの古墳が集まってるのよね。」
天皇に近い存在ならば、この壁画のように当時時代の最先端だったものが描かれているのも頷ける。
たぶん、優秀な渡来人たちの存在が大きいのだろう。

「鎌倉時代に一度盗掘されてるらしいけど、その後古墳に入ろうとする者はいなかったのかな?」
私が一人呟くと、「たぶん、たぶんだけどね、祟りを恐れて入らなかったんじゃないかしら。」
ということは、鎌倉時代の泥棒はその後不幸な最期を迎えていて、それを祟りととらえて後世まで言い伝えられた、、、彼女の真剣な表情に、なぜかそうなのだと納得させられてしまった。
展示物の中には、その泥棒さんが盗掘時に使った瓦器片も発掘品に並んでいる。

以上、キトラ古墳での話。




「きっと高松塚でも会えるわね。」
そして、キトラ古墳横に建てられら壁画体験館・四神の館の駐車場で別れてから5分後、私たちは高松塚壁画仮設修理施設の前で再会した。

高松塚壁画パンフレット(1)

高松塚壁画パンフレット(2)



予約なしでも見学の許可を戴いた私は、彼女と同じグループで修理室に入ることができた。

そこはキトラのそれと違って、実際に壁画を修理している場所、その場所にずらっと並べられた石室の断片を窓越しに見学するというものだった。

それは博物館のように見せる展示をしておらず、非常に見えにくいという印象を誰しもが持ったと思う。
そして、思うより小さい絵というのが一番の感想だった。

なので手前にあった玄武や青龍、飛鳥美人を描いた女性群像などは比較的よく見えたのだが、少し離れた場所に置かれた男性群像や天文図は全く見ることができなかった。


高松塚古墳2

高松塚古墳

けれどみんな夢中だ。
みんな夢中でガラスに張り付いていた。
だって、あの壁画が、あの飛鳥美人が目の前にあるのだから。

気が遠くなる時を越え、こうして壁画と向き合っているなんて、それぞれにみんな胸に浪漫を抱いているみたいだった。

僅か10分の見学だが、こんなすごいものを無料で観させてもらえることもありがたい。
日本人みんなの宝物なんだなって、じーんとなった。


高松塚古墳3


「たぶんここの埋葬者は忍部ね。」
彼女の解説はまたここから始まる。

「近くに古代米のランチが食べられるお店があるんだけど、一緒にお昼食べない?」

それからもう1時間、私は彼女の古代飛鳥物語を延々聞くことになる。


夢市茶屋


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