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旅先の大切な思い出を綴っています  since Sep. 1, 2007
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長雨のひとやすみ。

伊藤若冲・墨絵


今年5月に「開運!なんでも鑑定団」で本物と認められた伊藤若冲の掛け軸を、丸亀城城郭内にある資料館で現在見ることができる。

双幅【鶏図】という。


本日、しとしとと数日前より続く雨の下、私も若冲を訪ねてみた。

若冲といえば、奇抜なほどの色鮮やかな鶏の絵を思い浮かべる人が多いのだろうか。
私も漠然とそんな印象を持っていた。

ただ、昨今の若冲人気のおかげでそれを知り得たくらい、私は彼の絵を全く知らない。
これまで唯一目にした本物が、金刀比羅宮(こんぴらさん)奥書院の障壁画「花丸図」であり、今日出会う作品が私にとって若冲の鶏第一号となる。

なので偉そうに若冲を語ることはできないのだが、ちょっとブログに残そうと思った。



あらかじめ掛け軸の写真を見て水墨画ということはわかっていたが、派手さのない若冲に一瞬戸惑った。
正直、「ふん」というのが第一印象だったのだが、じーっと眺めているうち味が出てくる。

まあ、「これは若冲が描いたものだよ」と聞かされているからかもしれないが、さすが若冲、面白い絵を描くなと思った。
墨の濃淡もいいが、絵に勢いがあった。
鶏の顔もひょうきんでいい。頭に残る。


若冲は鶏を描くにあたり、自身で鶏を飼い、一年ひたすら深く観察し、続く二年は写生を続ける修練を積んだという。

若冲研究者の第一人者である狩野博幸さんによると、「菊のこの描き方は若冲にしかできず、鶏も若冲がよく使う表情をしており、雄鳥と雌鳥の目線を意識的に合わせている」とのこと。
やはり「ふーん」程度にしかわからない私だが、この絵、好きだなと思う。



この鶏は、瀬戸内海に浮かぶ本島(香川県丸亀市)のある町家にあった。
現在所有している方の父親が海運業を営んでいた50年ほど前に、木材の運賃代わりに材木商から渡されたものらしい。

なので保存状態は完璧とは言えないのだが、対で残っていたのは幸運だろう。

もともと本島を中心とする塩飽(しわく)諸島は、昔水軍で栄えた場所。
江戸時代には船大工の技術を生かし家大工や宮大工として活躍していた彼らの裕福さは、島を訪れると今も残る古い町並みからもよくわかる。
この鶏と塩飽水軍に関わりはないだろうが、塩飽大工によって建てられた立派な民家から見つかったことは大いに頷ける。



資料館をでると冷たい雨はやんでおり、長雨はひとまずお休みということか。

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